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営業コラム

顧客の客観的事実を捉えることはなぜ重要なのか?~前 編~
ソリューション営業は終わった

今回も営業現場の最新情報をお届けします。

課題解決型営業においてよく「顧客の声を聞く」ことが重要だと言われます。しかし、本当に「聞く」だけで良いのでしょうか。顧客の声は本当に真実を表しているのでしょうか。今回はそんなテーマでコラムをお届けしようと思います。

それでは、是非ご覧ください!!

南谷 恵樹(みなたに けいじゅ)

南谷 恵樹(みなたに けいじゅ)
株式会社セレブリックス
契約アドバイザー

元セレブリックス企画マネージャー。
現セレブリックス契約アドバイザー。
営業販売コンサルティングの企画と開発、営業戦略の立案、リサーチが専門。1967年生まれ。UCLA大学院卒。

顧客の客観的事実を捉えることはなぜ重要なのか?~前 編~

⇒後編を読む

顧客の課題を解決したいとき、「顧客の声を聞く」という方法がよくとられます。
しかし、顧客の声というのはどのくらい真実を反映したものなのでしょうか?
最近読んだ、ハーバードビジネスレビューのWEBブログ(2013年9月26日)に、顧客の行動の背景を、「顧客に聞く」ことによって探ろうとすることにはいかに限界があるかを示す事例が掲載されていました。
一つ目の事例は、米国カリフォルニアの住宅所有者数百人に対して行われた質問で、「エネルギーを節約して全体消費を減らすという方策を講じる上で、以下の4つの選択肢のうち何が決め手となるか?」というものです。

(1)省エネは環境に優しい。
(2)省エネは未来の社会を守る。
(3)省エネはお金の節約になる。
(4)近所の人々の多くは、すでに省エネに取り組んでいる。

回答者は、選択肢(4)が最も「決め手とならない」と答えたそうです。しかしメーターの記録を分析してみると、(4)こそが行動を変える上で最も強い影響力を持つことが判明したのです。つまり、回答とは裏腹に、他の人が導入するから自分も導入するということが省エネ実践の一番の動機になっていたのです。
この結果がどう活用されたかは書いてありませんでしたが、もし「顧客の声」そのものに基づいて省エネ推進策を講じていたとしたら、あまり効果は期待できないものになったに違いありません。

もう一つの事例は、ストリート・ミュージシャンにコインを投げる事例です。
いわゆる「さくら」(おとり客)を使った場合、集まったお金は8倍になったそうです。
ところが、お金を寄付した人に事後的にインタビューを行うと、自分の行動の理由として「先にお金を入れる人を見たから」と答えた人は皆無でした。主な回答は、「お気に入りの歌だったから」「私は気前がよい人間だから」「ミュージシャンを気の毒に思ったから」などだったそうです。これらの事例から同ブログの著書は、顧客の行動の背景を探るときは「顧客に聞く」のではなく「顧客を観察する」ことが重要だと結論付けています。
顧客の声を集めてデータ分析することに多大な投資をしても、それが本当に顧客の事実を明るみに出すかどうかは分からないのです。
自分が経験したことについて質問した場合でさえ、回答は「本当の理由」とずれる可能性があるのですから、ましてや「経験したことのないこと」「知らないこと」に関しては、顧客は答えることができないと考えるのが妥当でしょう。
このような場合にアンケートをとっても、「とりあえず回答しておく」といった種類の回答が多く寄せられることが予想されます。

金銭よりも奉仕や貢献を根本として顧客と接することが成功の秘訣!

営業の優れている点は、まさに現場において顧客の事実を直接把握できるという点だと思います。
マーケティングと一括りに語っても、最近のマーケティングは進化しているので、アンケートやインタビューだけがマーケティングではないとお叱りをうけてしまいそうですが、あえて営業との対比を明確にすれば、いわゆる古典的なマーケティング観においては、顧客のニーズと商品の価値は事前に確定できるものだという基本認識があります。顧客のニーズは調査結果に集約されると見なされます。顧客のニーズを的確につかみ、それを満たす商品を作りさえすれば、その二者は必然的に結びつくに違いないという暗黙の前提があるのです。

ところが本来的に、商品の価値というのは顧客に実際に出会うまでは分からないものです(個々の顧客の目的に照らして明るみになるものです)。同様に、顧客のニーズというのも事前に固定されたものではないのです(アンケートやインタビューの結果だけがニーズではないのです)。この「価値が固定されない商品」と「自覚できない顧客のニーズ」をつなぐことこそが営業の仕事であり、営業の最大の意味であると思います。
なぜそれができるかと言えば、営業は現場に入って、観察し、単に顧客に「聞く」だけでなく、その背景にある事実をつかむことができるからです。


【参考サイト】
スティーブ・マーティン「顧客の行動は何に左右されるのか」HBRマーケティングブログ、2013年09月26日。
http://www.dhbr.net/articles/-/2111

⇒後編に続く


⇒後編を読む

 

さて、今回も営業現場における最新事情をお届けしましたが、如何でしたでしょうか?
世の中の流れに合わせて商品・サービスの提供方法を変えていく必要性がますます高まっています。
営業塾では、新しい営業スタイルを確立させたい!自社の営業組織の見直しをしたい!という企業様のご支援を行っておりますので、コラムを読んで「営業組織を改革したい」と思われた方はお気軽にお問合せ下さい。

今後も定期的に営業マネジメントに役立つ内容をお届けいたしますので、ご期待下さい。
また、こんな内容を取り上げてほしい!こんなテーマのコラムを読みたい!
というご希望があれば、是非ご要望頂ければと思います。




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